ディスコ(6146)の中間決算(2026年10月):上期は営業利益が 48% 増で過去最高。10〜12月は前の四半期より減益の予想

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上期は営業利益 48% 増、出荷も最高

ディスコは 10月22日、2026年4〜9月の中間決算を発表した。売上高は 2570億円で前年同期より 32.1% 増え、営業利益は 1166億円で 47.9% 増えた(決算短信 PDF p.1)。

要点の画像。上期(2026年4〜9月)の営業利益は、前年同期の 788億円より 47.9% 増えて 1166億円。売上高は 32.1% 増えて 2570億円。売上に対する営業利益の割合(営業利益率)は、前年同期の 40.5% から 45.4% に上がった(計算)。会社は為替と、高付加価値の製品が増えたことを理由に挙げる。会社は 3 か月先までしか予想を出さず、10〜12月の営業利益は約 581億円で、7〜9月より約 14% 少ない予想(計算)

ディスコは、半導体を切るダイサや削るグラインダなどの装置を作る。刃や砥石などの消耗品(精密加工ツール)も売る。7〜9月の売上の 89.7% は海外だった(決算短信 PDF p.4、決算説明資料 p.6・18)。

売上高は 32% 増、営業利益は 48% 増

要点の画像。上期(2026年4〜9月)の業績は、4 つとも前年同期より増えた。売上高は 2570億円で、前年同期の 1945億円より 32.1% 増。営業利益は 1166億円で、788億円より 47.9% 増。経常利益は 1144億円で、794億円より 44.0% 増。純利益は 803億円で、559億円より 43.7% 増

2026年4〜9月 今期 前年同期 増減率
売上高 2570億円 1945億円 +32.1%
営業利益 1166億円 788億円 +47.9%
経常利益 1144億円 794億円 +44.0%
純利益 803億円 559億円 +43.7%

表の金額は億円未満を切り捨てた。純利益は「親会社株主に帰属する中間純利益」のことだ。

売上高に対する営業利益の割合(営業利益率)は 45.4% だった。前年同期は 40.5% で、稼ぐ力がさらに上がった(決算短信 PDF p.4・6 から計算)。

装置の売上は、お客さまの検収(受け入れの確認)が進むと立つ。会社は、売上とは別に出荷額も示している。上期の出荷額は 2845億円で、前年同期より 37.2% 多い。会社は、上期の出荷額も利益も過去最高だとしている(決算短信 PDF p.4、決算説明資料 p.19)。

7〜9月だけを見ると、売上高は 1427億円、営業利益は 676億円だった。営業利益率は 47.4% になった。出荷額は 1486億円で、会社は過去最高としている(決算短信 PDF p.1、2026年4〜6月の決算短信、決算説明資料 p.7 から計算)。

経常利益の伸びが営業利益より小さいのは、為替差損が 31億円出たためだ。前年同期は為替差益だった(決算短信 PDF p.6)。

利益率を押し上げたのは為替と高付加価値品

要点の画像。上期(2026年4〜9月)は、売上が 32.1% 増え、原価を引いて残る割合も上がり、営業利益は大きく伸びた。売上総利益率は、前年同期の 68.9% から 71.5% に上がった(計算)。人件費などの販管費は、551億円から 672億円に 22.0% 増えた(計算)が、売上総利益の増加がそれを上回った

会社は、生成 AI 向けを中心に出荷が増え、装置の検収が進んで売上が増えたと説明する。データセンター向けの投資が続き、先端のロジック半導体や HBM(高帯域幅メモリ)向けの装置がよく出た(決算短信 PDF p.4、決算説明資料 p.3)。

消耗品の精密加工ツールも、お客さまの工場の稼働率が高く、出荷が多かった。装置が動くほど刃や砥石が減るので、消耗品の売上は工場の稼働に連動する(決算短信 PDF p.4)。

売上から原価を引いた売上総利益が売上高に占める割合(売上総利益率)は 71.5% だ。前年同期は 68.9% だった。会社は、為替の影響と高付加価値の製品が増えたことを理由に挙げる(決算短信 PDF p.4・6 から計算)。

販管費は 672億円で、前年同期の 551億円より 22.0% 増えた。人件費や研究開発費が増えたが、売上総利益の増加がそれを上回った(決算短信 PDF p.4・6 から計算)。

特別損失には、ドイツの建物の減損損失 6億円が入った。子会社が今ある建物を取り壊して新しい棟を建てると決めたためだ(決算短信 PDF p.6・8)。

予想は 3 か月先だけ、10〜12月は前の四半期より減益

要点の画像。10〜12月の営業利益は約 581億円の予想で、2026年7〜9月の 676億円より約 14% 少ない。2025年10〜12月は 473億円(3 か月ごとの額と割合は計算)。会社は 3 か月先までしか予想を出さない。今回出したのは、上期の実績に 10〜12月の予想を足した 4〜12月の営業利益で、1747億円

ディスコは、お客さまの投資の意欲が短い間に大きく変わるとして、予想を 3 か月先までしか出さない。今回は、4〜12月の予想を出した(業績予想のお知らせ PDF p.1)。

2026年4〜12月の予想 予想 前年同期の実績 増減率
売上高 3895億円 3038億円 +28.2%
営業利益 1747億円 1262億円 +38.4%

予想は業績予想のお知らせ PDF p.1 と決算短信 PDF p.1 の値。増減率は決算短信の値。前年同期の実績は、業績予想のお知らせ PDF p.1 の前期の 4〜12月の実績だ。

4〜12月の予想から上期の実績を引くと、10〜12月だけの予想が出る。売上高は 1324億円、営業利益は約 581億円だ(決算短信 PDF p.1、業績予想のお知らせ PDF p.1 から計算)。

10〜12月の営業利益は、7〜9月の 676億円より約 14% 少ない。前年の 10〜12月の 473億円よりは、約 23% 多い(決算短信 PDF p.1、2026年4〜6月の決算短信、業績予想のお知らせ PDF p.1 から計算)。

10〜12月の出荷額は 1496億円の予想で、7〜9月の 1486億円とほぼ同じ水準だ。ドルの為替は 1 ドル 151 円を前提にした(業績予想のお知らせ PDF p.1、決算短信 PDF p.4、決算説明資料 p.7 から計算)。

過去 5 年の上期を見ると、営業利益の実績は、7月に出した上期の予想を毎年 8.2〜16.5% 上回った(各年の決算短信から計算)。

くわしく:上期の営業利益の予想と実績(過去 5 年)
上期の営業利益(億円) 7月の予想 実績 予想比
2023年3月期 507 548 +8.2%
2024年3月期 394 450 +14.2%
2025年3月期 660 759 +15.1%
2026年3月期 677 788 +16.5%
2027年3月期 1,049 1,166 +11.2%

各年の第1四半期の決算短信に載った上期の予想と、中間期の決算短信の実績。XBRL から取り、億円未満を切り捨てた。予想比は百万円の値から計算した。

自己資本比率は 76.1%、中間配当は 186 円

要点の画像。9月末の決算の表に、借入金(借りたお金)は載っていない。9月末の自己資本比率は 76.1%、現金及び預金は 3424億円。自己資本比率は、資産のうち返さなくてよいお金の割合で、3月末より 2.8 ポイント下がった。主に、先に受け取った代金(負債)が 296億円増えたため(計算)。上期に本業で入ったお金(営業キャッシュフロー)は 1117億円。中間配当は 1 株 186 円で、前年同期の 129 円より多い

9月末の自己資本比率は 76.1% で、3月末より 2.8 ポイント下がった。主に、負債のうち、お客さまから先に受け取った代金などの契約負債が 296億円増えたためだ(決算短信 PDF p.1・4・5 から計算)。

現金及び預金は 3424億円ある。貸借対照表に借入金の項目は無い(決算短信 PDF p.5)。

上期は、本業で 1117億円のお金が入った(営業キャッシュフロー)。前年同期より 181.5% 多い。定期預金への預け入れを含む投資のお金の出入りを足したフリーキャッシュフローは 568億円だった(決算短信 PDF p.4)。

投資で出たお金のうち、418億円は定期預金への預け入れだ。工場などの設備の取得には 128億円を使った(決算短信 PDF p.7)。

中間配当は 1 株 186 円で、前年同期の 129 円より多い。ディスコは、半期ごとに配当性向を 25% とする。上期の利益にこの割合を当てはめた結果、7月の予想の 171 円より多くなった(剰余金の配当に関するお知らせ PDF p.1)。

期末の配当は、まだ決まっていない。年度末には、手元の資金が必要な額を超えた分の 3 分の 1 をめどに、配当を上乗せする方針もある(決算短信 PDF p.1、剰余金の配当に関するお知らせ PDF p.1)。

次に見るのは出荷と為替

要点の画像。次に見るところは 3 つ。1 つ目は出荷の勢いが続くか。10〜12月の出荷額の予想は 1496億円で、7〜9月の 1486億円とほぼ同じ。2 つ目は為替。10〜12月の予想は 1 ドル 151 円が前提で、実際の為替がこの前提から外れるか。3 つ目は 1 年の予想。例年どおりなら、次の決算(4〜12月の分)で、2027年3月までの 1 年の予想が初めて出る

まず見るのは、出荷の勢いが続くかどうかだ。会社は、装置ではグラインダ(削る装置)が前の四半期より 10% 増え、消耗品の精密加工ツールは 5% 減るとみる(決算説明資料 p.18)。

2 つ目は為替だ。会社は、ドルが 1 円動いたときの影響を、年換算で約 21億円と示している。売上の 9 割近くが海外だ(決算説明資料 p.6・14)。

3 つ目は、通期の予想だ。ディスコは例年、1月下旬の第3四半期の決算で、通期の予想を初めて出す(過去の第3四半期の決算短信)。

補足:株価と比べる式

株価と比べるときの式
  • EPS(1 株当たり利益)= 純利益 ÷ 株数(期中の平均)。この上期は 740.84 円で、前年同期は 515.70 円(決算短信 PDF p.1)
  • PER(株価収益率)= 株価 ÷ EPS。利益の何年分の値段か
  • 配当利回り = 年間配当 ÷ 株価。ディスコは期末の配当の予想をまだ出していない。過去の例では、1月の第3四半期の決算で年間の予想が出ている

いまは通期の予想が無いので(例年1月の第3四半期の決算で出る)、通期の EPS の予想も無い。PER を出すときは、どの期間の利益で割ったかを決めておく。

決算の言葉の意味は、用語集にまとめた。

出典と注意

「計算」と書いた数は、原本の数から自分たちで計算した値だ。金額は億円未満を切り捨てた。割合と、「約」を付けた額は四捨五入した。

決算説明資料は、Web の取得の道具で文字だけを読んだ。ページは資料に印刷された番号だ。資料が億円単位で書いた数は、資料の値のまま使った。この記事は株の売買を勧めるものではない。

資料 出典
決算短信 ディスコ「2027年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」2026-10-22。TDnet で取得(2026-10-23)
業績予想のお知らせ ディスコ「業績予想のお知らせ」2026-10-22。TDnet で取得(2026-10-23)
配当のお知らせ ディスコ「剰余金の配当に関するお知らせ」2026-10-22。TDnet で取得(2026-10-23)
決算説明資料 ディスコ「2026年度 第2四半期 決算説明資料」2026-10-22。https://www.disco.co.jp/jp/ir/library/doc/film/20261022.pdf(取得: 2026-10-23)
過去の予想と実績 ディスコの 2022〜2026年の第1四半期と中間期の決算短信(XBRL)。東証上場会社情報サービス https://www2.jpx.co.jp/tseHpFront/JJK010010Action.do?Show=Show(コード 6146。取得: 2026-10-23)