イオン(8267)の中間決算(2026年10月):上期の営業利益は 11% 増で過去最高。ドラッグストアが伸び、食品スーパーは減益

目次
上期は営業利益 11% 増、過去最高
イオンは 10月13日、2026年3〜8月の中間決算を発表した。営業利益は 1307億円で、前年同期より 10.7% 増えた。上期として過去最高だ(決算短信 PDF p.1・4)。

イオンは、スーパーや総合スーパー(GMS)、ドラッグストア、ショッピングモール、銀行やクレジットカードなどの事業を持つ。会社を束ねる純粋持株会社だ(決算短信 PDF p.6〜11)。
営業収益は 14% 増、純利益は 133億円

| 2026年3〜8月 | 今期 | 前年同期 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 5兆9041億円 | 5兆1899億円 | +13.8% |
| 営業利益 | 1307億円 | 1181億円 | +10.7% |
| 経常利益 | 1082億円 | 1064億円 | +1.7% |
| 純利益 | 133億円 | 40億円 | +229.1% |
表の金額は億円未満を切り捨てた。営業収益は、売上高に、金融事業の営業収益とその他の営業収益を足した額だ。純利益は「親会社株主に帰属する中間純利益」のことだ。
経常利益の伸びが小さいのは、支払利息が 340億円と、前年同期より 104億円増えたためだ(決算短信 PDF p.16 から計算)。
純利益は 133億円にとどまった。グループには、イオン以外の株主もいる子会社が多い。中間純利益のうち 339億円は、そうした株主の取り分(非支配株主に帰属する中間純利益)だった(決算短信 PDF p.16)。
特別損失には、「災害による損失」41億円が入った。会社は、主に令和8年熊本地震による被害額で、8月末の時点で分かっている情報に基づく額だとしている(決算短信 PDF p.12・16)。
ドラッグストアとモールが伸び、食品は減益

| 事業(2026年3〜8月) | 営業利益 | 前年同期との差 |
|---|---|---|
| ヘルス&ウエルネス | 596億円 | +369億円 |
| ディベロッパー・エンターテイメント | 542億円 | +132億円 |
| 総合金融 | 260億円 | −8億円 |
| サービス・専門店 | 71億円 | −16億円 |
| 国際 | 56億円 | +7億円 |
| ディスカウントストア | 4億円 | −32億円 |
| スーパーマーケット | −1億円 | −130億円 |
| GMS | −126億円 | −124億円 |
営業利益は XBRL、前年同期との差は決算短信の文の値。どちらも億円未満を切り捨てた。今期から事業の区分を変えたので、前年同期との差は、会社が新しい区分に直した値を使った(決算短信 PDF p.6〜10・21)。
伸びたのはドラッグストアの事業だ。1月にツルハホールディングスを子会社にしたため、営業収益は 87.4% 増えた。ツルハとウエルシアの統合の効果(シナジー)は、上期に約 85億円出た。年間の計画 150億円の 57% にあたる(決算短信 PDF p.4、決算説明会資料 PDF p.4・7)。
モールの事業は、体験型の店や娯楽の施設を増やし、専門店の売上が伸びた。ベトナムなど東南アジアの事業も増益だった(決算短信 PDF p.4・5、決算説明会資料 PDF p.8)。
一方、スーパーマーケット、ディスカウントストア、GMS の食品小売の 3 事業は、合わせて 287億円の減益だった(決算短信 PDF p.6〜8 から計算)。
会社は、食品小売の苦戦の理由を外と内に分けて示した。外の理由は、前年にあった米の特需がなくなったこと、中東の情勢によるコストの上昇、節約の意識の高まりだ。内の理由として、価格の決め方、販促の運用、既存店の客数の回復の 3 つの課題を挙げた(決算説明会資料 PDF p.12)。
通期の予想は据え置き、下期に大きな伸びを見込む

| 2027年2月期の通期 | 予想 | 上期 | 進捗率 |
|---|---|---|---|
| 営業収益 | 12兆円 | 5兆9041億円 | 49.2% |
| 営業利益 | 3400億円 | 1307億円 | 38.4% |
| 純利益 | 730億円 | 133億円 | 18.2% |
予想は決算短信 PDF p.2 の値。進捗率は決算説明会資料 PDF p.17 の値。
通期の予想は、4月9日に出したものから変えていない(決算短信 PDF p.11)。
上期の営業利益は、通期の予想の 38.4% だった(決算説明会資料 PDF p.17)。予想どおりなら、下期の営業利益は約 2093億円になる。前年下期の約 1523億円より約 37% 多い(決算短信 PDF p.1・2、前期の決算短信から計算)。
会社は、通期の予想の達成を目指すとしている。ドラッグストア、モール、東南アジアの成長を速め、食品小売の収益を立て直す(決算説明会資料 PDF p.17)。
食品小売では下期に、価格の決め方と販促の見直し、生鮮やデリカの強化、経費の削減に取り組む。経費の削減は、2024年度の下期と同じ規模で行う(決算説明会資料 PDF p.13)。
2022年2月期以降、イオンは第2四半期の決算で通期の予想を変えたことがない。変えたのは 1月以降だ(各期の決算短信と業績予想の修正のお知らせ)。2022〜2026年2月期の営業利益を見ると、ずれは大きい。実績は、期初の予想を 14.0% 上回った年もあれば、17.0% 下回った年もある(各期の決算短信から計算)。
くわしく:2022〜2026年2月期の予想と実績(営業利益)
| 営業利益(億円) | 期初の予想 | 最終の予想 | 実績 | 期初比 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年2月期 | 2,100 | 1,730 | 1,743 | −17.0% |
| 2023年2月期 | 2,150 | 2,150 | 2,097 | −2.4% |
| 2024年2月期 | 2,200 | 2,400 | 2,508 | +14.0% |
| 2025年2月期 | 2,700 | 2,370 | 2,377 | −11.9% |
| 2026年2月期 | 2,700 | 2,750 | 2,704 | +0.2% |
各期の決算短信と業績予想の修正のお知らせの XBRL から取り、億円未満を切り捨てた。期初比は百万円の値から計算した。2022年2月期と 2023年2月期の予想は幅で出ていたので、真ん中の値を使った。2022年2月期と 2025年2月期の最終の予想は、期末の後、決算の発表の前に下げたものだ。
自己資本比率は 7.9%、金融を除くと 14.3%

8月末の自己資本比率は 7.9% だった。グループの銀行が預かる預金は、負債に入る。金融の事業を除いた自己資本比率は 14.3% だ(決算短信 PDF p.1)。
上期の営業キャッシュフローは、2625億円の支出だった。銀行の貸出金が 1707億円増え、仕入れの代金の未払い分(仕入債務)が 1636億円減ったことなどが響いた(決算短信 PDF p.11)。
中間配当は 1 株 7.5 円だ。普通配当 7 円に、記念配当 0.50 円を足した。期末も 7.5 円を予定し、年間では 15 円の予想だ(決算短信 PDF p.1)。
次に見るのは食品小売の立て直し

まず見るのは、スーパーと GMS の利益が戻るかどうかだ。会社は、7月以降は一部にばらつきがあるものの、客数が回復の傾向にあるとしている(決算説明会資料 PDF p.12)。
2 つ目は、ドラッグストアの統合の効果だ。ツルハとウエルシアの統合の効果は、年間の計画の 57% まで進んだ(決算説明会資料 PDF p.7)。
3 つ目は、災害による損失だ。上期の 41億円は主に熊本地震によるもので、8月末の時点で分かっている情報に基づく額だ(決算短信 PDF p.12)。
次の決算(第3四半期、9〜11月)は、例年1月の上旬から中旬に出る(過去の第3四半期の決算短信の発表日)。
補足:株価と比べる式
株価と比べるときの式
- EPS(1 株当たり利益)= 純利益 ÷ 株数(期中の平均)。この上期は 4.81 円で、前年同期は 1.53 円。今回の通期の予想は 26.39 円(決算短信 PDF p.1・2)
- PER(株価収益率)= 株価 ÷ EPS。利益の何年分の値段か
- 配当利回り = 年間配当 ÷ 株価。今回の年間の予想は 1 株 15 円
イオンは 2025年9月に 1 株を 3 株に分けた。前年の EPS も、分けた後の株数で直してある(決算短信 PDF p.1)。
決算の言葉の意味は、用語集にまとめた。
出典と注意
「計算」と書いた数は、原本の数から自分たちで計算した値だ。金額は億円未満を切り捨てた。割合と、「約」を付けた額は四捨五入した。
会社の資料が億円単位で書いた数は、資料の値のまま使った。この記事は株の売買を勧めるものではない。
| 資料 | 出典 |
|---|---|
| 決算短信 | イオン「2027年2月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」2026-10-13。TDnet で取得(2026-10-23) |
| 決算説明会資料 | イオン「2027年2月期 中間期決算」2026-10-13。TDnet で取得(2026-10-23) |
| 過去の予想と実績 | イオンの 2021〜2026年の決算短信と業績予想の修正のお知らせ(XBRL)。東証上場会社情報サービス https://www2.jpx.co.jp/tseHpFront/JJK010010Action.do?Show=Show(コード 8267。取得: 2026-10-23) |