イオン(8267)の中間決算(2026年10月):上期の営業利益は 11% 増で過去最高。ドラッグストアが伸び、食品スーパーは減益

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上期は営業利益 11% 増、過去最高

イオンは 10月13日、2026年3〜8月の中間決算を発表した。営業利益は 1307億円で、前年同期より 10.7% 増えた。上期として過去最高だ(決算短信 PDF p.1・4)。

要点の画像。上期(2026年3〜8月)の営業利益は、前年同期の 1181億円より 10.7% 増えて 1307億円で、上期として過去最高。前年同期と比べた営業利益の差は、ドラッグストアが 369億円の増益で、食品のスーパーなど 3 事業は合わせて 287億円の減益(計算)。ドラッグストアは 1月にツルハを子会社にした。通期の営業利益の予想は 3400億円のまま。上期はこの予想の 38.4% で、予想どおりなら、下期は前年下期より約 37% 多く稼ぐ(計算)

イオンは、スーパーや総合スーパー(GMS)、ドラッグストア、ショッピングモール、銀行やクレジットカードなどの事業を持つ。会社を束ねる純粋持株会社だ(決算短信 PDF p.6〜11)。

営業収益は 14% 増、純利益は 133億円

要点の画像。上期(2026年3〜8月)の業績は、4 つとも前年同期より増えた。営業収益(売上など)は 5兆9041億円で、前年同期の 5兆1899億円より 13.8% 増。営業利益は 1307億円で、1181億円より 10.7% 増。経常利益は 1082億円で、1064億円より 1.7% 増。純利益は 133億円で、40億円より 229.1% 増

2026年3〜8月 今期 前年同期 増減率
営業収益 5兆9041億円 5兆1899億円 +13.8%
営業利益 1307億円 1181億円 +10.7%
経常利益 1082億円 1064億円 +1.7%
純利益 133億円 40億円 +229.1%

表の金額は億円未満を切り捨てた。営業収益は、売上高に、金融事業の営業収益とその他の営業収益を足した額だ。純利益は「親会社株主に帰属する中間純利益」のことだ。

経常利益の伸びが小さいのは、支払利息が 340億円と、前年同期より 104億円増えたためだ(決算短信 PDF p.16 から計算)。

純利益は 133億円にとどまった。グループには、イオン以外の株主もいる子会社が多い。中間純利益のうち 339億円は、そうした株主の取り分(非支配株主に帰属する中間純利益)だった(決算短信 PDF p.16)。

特別損失には、「災害による損失」41億円が入った。会社は、主に令和8年熊本地震による被害額で、8月末の時点で分かっている情報に基づく額だとしている(決算短信 PDF p.12・16)。

ドラッグストアとモールが伸び、食品は減益

要点の画像。事業ごとの営業利益の前年同期との差(2026年3〜8月)。ドラッグストアは 369億円、モールは 132億円の増益。食品のスーパーなど 3 事業は減益で、ディスカウントストアが 32億円、GMS(総合スーパー)が 124億円、スーパーマーケットが 130億円の減益。会社は食品の苦戦の理由に、米の特需が無くなったことなど外の要因と、価格や販促の運用など自らの課題を挙げる

事業(2026年3〜8月) 営業利益 前年同期との差
ヘルス&ウエルネス 596億円 +369億円
ディベロッパー・エンターテイメント 542億円 +132億円
総合金融 260億円 −8億円
サービス・専門店 71億円 −16億円
国際 56億円 +7億円
ディスカウントストア 4億円 −32億円
スーパーマーケット −1億円 −130億円
GMS −126億円 −124億円

営業利益は XBRL、前年同期との差は決算短信の文の値。どちらも億円未満を切り捨てた。今期から事業の区分を変えたので、前年同期との差は、会社が新しい区分に直した値を使った(決算短信 PDF p.6〜10・21)。

伸びたのはドラッグストアの事業だ。1月にツルハホールディングスを子会社にしたため、営業収益は 87.4% 増えた。ツルハとウエルシアの統合の効果(シナジー)は、上期に約 85億円出た。年間の計画 150億円の 57% にあたる(決算短信 PDF p.4、決算説明会資料 PDF p.4・7)。

モールの事業は、体験型の店や娯楽の施設を増やし、専門店の売上が伸びた。ベトナムなど東南アジアの事業も増益だった(決算短信 PDF p.4・5、決算説明会資料 PDF p.8)。

一方、スーパーマーケット、ディスカウントストア、GMS の食品小売の 3 事業は、合わせて 287億円の減益だった(決算短信 PDF p.6〜8 から計算)。

会社は、食品小売の苦戦の理由を外と内に分けて示した。外の理由は、前年にあった米の特需がなくなったこと、中東の情勢によるコストの上昇、節約の意識の高まりだ。内の理由として、価格の決め方、販促の運用、既存店の客数の回復の 3 つの課題を挙げた(決算説明会資料 PDF p.12)。

通期の予想は据え置き、下期に大きな伸びを見込む

要点の画像。2027年2月期(2026年3月〜2027年2月)の通期の営業利益の予想 3400億円は変えていない。上期は 1307億円で予想の 38.4%。予想どおりなら、下期は約 2093億円が要り、前年下期の約 1523億円より約 37% 多く稼ぐことになる(計算)。会社は、ドラッグストアやモールを伸ばし、食品を立て直して達成を目指す

2027年2月期の通期 予想 上期 進捗率
営業収益 12兆円 5兆9041億円 49.2%
営業利益 3400億円 1307億円 38.4%
純利益 730億円 133億円 18.2%

予想は決算短信 PDF p.2 の値。進捗率は決算説明会資料 PDF p.17 の値。

通期の予想は、4月9日に出したものから変えていない(決算短信 PDF p.11)。

上期の営業利益は、通期の予想の 38.4% だった(決算説明会資料 PDF p.17)。予想どおりなら、下期の営業利益は約 2093億円になる。前年下期の約 1523億円より約 37% 多い(決算短信 PDF p.1・2、前期の決算短信から計算)。

会社は、通期の予想の達成を目指すとしている。ドラッグストア、モール、東南アジアの成長を速め、食品小売の収益を立て直す(決算説明会資料 PDF p.17)。

食品小売では下期に、価格の決め方と販促の見直し、生鮮やデリカの強化、経費の削減に取り組む。経費の削減は、2024年度の下期と同じ規模で行う(決算説明会資料 PDF p.13)。

2022年2月期以降、イオンは第2四半期の決算で通期の予想を変えたことがない。変えたのは 1月以降だ(各期の決算短信と業績予想の修正のお知らせ)。2022〜2026年2月期の営業利益を見ると、ずれは大きい。実績は、期初の予想を 14.0% 上回った年もあれば、17.0% 下回った年もある(各期の決算短信から計算)。

くわしく:2022〜2026年2月期の予想と実績(営業利益)
営業利益(億円) 期初の予想 最終の予想 実績 期初比
2022年2月期 2,100 1,730 1,743 −17.0%
2023年2月期 2,150 2,150 2,097 −2.4%
2024年2月期 2,200 2,400 2,508 +14.0%
2025年2月期 2,700 2,370 2,377 −11.9%
2026年2月期 2,700 2,750 2,704 +0.2%

各期の決算短信と業績予想の修正のお知らせの XBRL から取り、億円未満を切り捨てた。期初比は百万円の値から計算した。2022年2月期と 2023年2月期の予想は幅で出ていたので、真ん中の値を使った。2022年2月期と 2025年2月期の最終の予想は、期末の後、決算の発表の前に下げたものだ。

自己資本比率は 7.9%、金融を除くと 14.3%

要点の画像。2026年8月末の財務と配当。グループに銀行があるので、自己資本比率は低く出る。8月末の自己資本比率は 7.9% で、金融の事業を除くと 14.3%。自己資本比率は、資産のうち返さなくてよいお金(イオンの株主の分。非支配株主持分は除く)の割合で、銀行が預かる預金は返すお金(負債)に入る。上期の本業のお金の出入り(営業キャッシュフロー)は 2625億円の支出で、銀行の貸出金が増えたことなどが響いた。中間配当は 1 株 7.5 円で、年間では 15 円の予想

8月末の自己資本比率は 7.9% だった。グループの銀行が預かる預金は、負債に入る。金融の事業を除いた自己資本比率は 14.3% だ(決算短信 PDF p.1)。

上期の営業キャッシュフローは、2625億円の支出だった。銀行の貸出金が 1707億円増え、仕入れの代金の未払い分(仕入債務)が 1636億円減ったことなどが響いた(決算短信 PDF p.11)。

中間配当は 1 株 7.5 円だ。普通配当 7 円に、記念配当 0.50 円を足した。期末も 7.5 円を予定し、年間では 15 円の予想だ(決算短信 PDF p.1)。

次に見るのは食品小売の立て直し

要点の画像。2026年9月から次に見るところは 3 つ。1 つ目は食品の立て直し。価格と販促の見直しが客数の回復につながるか。会社は、一部にばらつきはあるが、7月以降の客数は回復の傾向とする。2 つ目はドラッグストアの統合の効果。ツルハとウエルシアの統合で生んだ効果(仕入れや物流、費用の削減)は、上期に約 85億円で、年間の計画 150億円の約 57%。3 つ目は地震の損失が下期にも出るか。上期の災害による損失 41億円は、主に 2026年の熊本地震によるもので、8月末の時点で分かっている額

まず見るのは、スーパーと GMS の利益が戻るかどうかだ。会社は、7月以降は一部にばらつきがあるものの、客数が回復の傾向にあるとしている(決算説明会資料 PDF p.12)。

2 つ目は、ドラッグストアの統合の効果だ。ツルハとウエルシアの統合の効果は、年間の計画の 57% まで進んだ(決算説明会資料 PDF p.7)。

3 つ目は、災害による損失だ。上期の 41億円は主に熊本地震によるもので、8月末の時点で分かっている情報に基づく額だ(決算短信 PDF p.12)。

次の決算(第3四半期、9〜11月)は、例年1月の上旬から中旬に出る(過去の第3四半期の決算短信の発表日)。

補足:株価と比べる式

株価と比べるときの式
  • EPS(1 株当たり利益)= 純利益 ÷ 株数(期中の平均)。この上期は 4.81 円で、前年同期は 1.53 円。今回の通期の予想は 26.39 円(決算短信 PDF p.1・2)
  • PER(株価収益率)= 株価 ÷ EPS。利益の何年分の値段か
  • 配当利回り = 年間配当 ÷ 株価。今回の年間の予想は 1 株 15 円

イオンは 2025年9月に 1 株を 3 株に分けた。前年の EPS も、分けた後の株数で直してある(決算短信 PDF p.1)。

決算の言葉の意味は、用語集にまとめた。

出典と注意

「計算」と書いた数は、原本の数から自分たちで計算した値だ。金額は億円未満を切り捨てた。割合と、「約」を付けた額は四捨五入した。

会社の資料が億円単位で書いた数は、資料の値のまま使った。この記事は株の売買を勧めるものではない。

資料 出典
決算短信 イオン「2027年2月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」2026-10-13。TDnet で取得(2026-10-23)
決算説明会資料 イオン「2027年2月期 中間期決算」2026-10-13。TDnet で取得(2026-10-23)
過去の予想と実績 イオンの 2021〜2026年の決算短信と業績予想の修正のお知らせ(XBRL)。東証上場会社情報サービス https://www2.jpx.co.jp/tseHpFront/JJK010010Action.do?Show=Show(コード 8267。取得: 2026-10-23)